今回は、ホンダのビッグスクーターである ADV150 に乗った。
先代の 150cc モデルの PCX にオフロードテイストを加えた派生車種となる。
見た目だけではない
冒頭にも書いた通り、先代の PCX150 (現在はPCX160としてフルモデルチェンジしている)のデザインと足回りに変更を加えて、ワイルドな感じに仕上がっている。
近いところで言うと、スーパーカブとクロスカブのような関係性のように思える。
灯火類は当然LEDで、ヘッドライトは大きく彫りが深い見た目になっている。
テールランプはX字型になっており、オフロード色を強めている。
ウインカーは、ホンダ二輪では定番のウインカーポジションは搭載していないが、このクラスでは珍しいハザードは搭載している。
また、急ブレーキ時にウインカーが高速点滅して後続車に知らせるエマージェンシーストップシグナルを搭載している。この辺りはさすがホンダだなと思う。
ブレーキは前後ともディスクブレーキで、フロントのみにABSが搭載されている。
ベースとなった PCX150 のリヤブレーキはドラムブレーキ(PCX160 からはディスクになった)なので特別な仕様となっている。
サスペンションは、150ccクラスのスクーターとして最長の、130mmのストローク量を誇るフロントサスペンションと、SHOWAのエンブレムが輝くリザーバータンク付きのリアサスペンションとなっており、荒れた路面にも対応した仕様となっている。
タイヤも、専用に開発された控えめなブロックパターンで、舗装路はもちろん未舗装路の走行も多少は考慮されたであろう見た目をしている。
エンジンに関しては、おそらく普通のエンジンで、トランスミッションもCVTで一般的なスクーターと変わらない。
ただ、このエンジンのいいところは、ジェネレーターとエンジンスターターを兼ねるACGスターターを採用しているため、始動時にセルモーターの音がしないこと。ブレーキを握ってスタータースイッチを押すとドゥルルルンとかかる。車で言うところのマイルドハイブリッドを搭載した車と似たような感じだ。実際、PCX のハイブリッドモデルはAGCスターターが一時的に駆動用モーターとしてアシストする制御が入る。
このACGスターターのおかげで、アイドリングストップ機能も搭載している。バイクのバッテリーにそこまで負荷をかけても大丈夫なのかとも思うが、車のようにキーオンの度に有効化されるわけではなく、キルスイッチの位置に切り替えスイッチがあるので常時オフも容易にできる。ちなみに街中でこのアイドリングストップがオンになっている車両を見たことがない。
メーターには、滑らかにインジケーターが動く瞬間燃費計が搭載されており、燃費を意識した運転をサポートしてくれる。たとえ、燃費を意識して運転しようとしていなくても、動きの激しい燃費計が搭載されていれば、なんとなく燃費が良くなるような運転をしてしまいがちである。
燃料タンクは8Lで、これもPCXと変わらない。
燃費は若干悪化するが、WMTCモード値で44.1km/Lなので350km以上走る計算だ。
PCX 譲りの利便性
元になった車両がPCXという大人気のスクーターなだけあって、利便性は損なわれていない。
まずはスマートキー。
3代目ののPCXシリーズからはスマートキーが採用されており、車両とリモコンが通信状態で近づくと電源を入れることができる。
個人的には過剰装備だと思うが、これを装備できるだけPCXシリーズが売れている証拠なのだと思う。
スクーターといえば、シート下の広大なスペース。
ADV150では、これもしっかり維持されている。試乗にあたって、カッパ、一眼カメラ、三脚、書類、その他小物を収納したがすんなり収まったので、別でシートバッグやリュックを用意する必要がなかった。
純正オプションでリアキャリアやトップケースも用意されているため、よりスマートに積載性を向上させることもできる。
オプションのETCの本体はシート下に配置される。
フロント左側にあるインナーボックスは、中にシガーソケットが標準装備されており、USBアダプターなどを介すると携帯などへ給電ができる。ただ、ボックス内にあるためナビとして使用している携帯へ給電するとケーブルが邪魔になるためボックスのふたを閉められない。
今回、携帯への充電と小型カメラへの給電に使用していたが、開きっぱなしなのは腹が立つし危ないので、マスキングテープを使って半開きの状態で止めておいた。
二輪のクロスオーバーSUV
跨ると、サスペンションが長めに設定されている影響か少々シートが高いとは感じるが、重心が低く軽いのであまり不安は感じない。
エンジンをかけると、先にも書いたがセルモーターの音は無いのでひとりでに回りだしたかのようにエンジンがかかる。アイドリングも静かなので近所に気を遣うこともあまりないだろう。
アイドリングストップからの復帰は、ワンテンポとまでは言えないものの若干遅れるが、復帰してからはスムーズにエンジン回転数が上昇していく。
アクセルを捻ると聞きなれたスクーターのエンジン音と共に力強い加速をする。やはり150ccあるだけ加速は良く感じた。
スクーターなので、停車状態からアクセルを大きくひねっても加速まではワンテンポ遅れるが、タイヤが回り始めたら一般道の速度域くらいまでならあっという間に持って行ってくれる。
このまま高速道路に乗ると、流れが速い道路だと少し合流に苦労するかもしれないが、アクセル全開にして何とか流れに乗る。
スピードが3桁前後になると、エンジンはさすがに苦しそうで、再加速する余裕はない。
車体の小ささや軽さからも不安は大きい。
乗り心地に関しては、サスペンションのストロークが通常のスクーターより長くなっているから柔らかいのかと思っていたが、路面のアンジュレーションをよく吸収しているとは思えず、ノーマルのPCXの同等程度かと思うくらい割と固い印象を受けた。
オフロードテイストには仕立てられてはいるが、所詮はスクーターなので本格的なオフロード走行はできない。そもそも車体が軽いので、PCXだとしてもフラットな未舗装路くらいなら楽々いけるので、車高が高い分、少しだけ楽に走破できるといった程度だろうか。
四輪で流行しているのクロスオーバーSUVの二輪版といったところだろう。
走行距離と燃費
走行距離:350.4km(ツーリングを想定した走行環境)
給油量:7.31L(レギュラー)
燃費:47.9km/L(WMTCモード値:44.1km/L)
ツーリングを想定し、ワインディング、高速道路、田舎道などを走行している。
私が運転したら、たいていWMTCモード値よりもいい結果が出るので今回もそれに当てはまる感じだ。
燃費はいいため、経済的な日常の足としても優秀な性能だろう。
試乗車のデータ
車種:ADV150
カラー:マットメテオライトブラウンメタリック
車重:134kg
エンジン:149cc , 水冷単気筒 , OHC
トランスミッション:CVT
最高出力:11kW (15PS)/8500rpm
最大トルク:14N・m (1.4kgf・m)/6500rpm
タイヤ:【前】110/80-14M/C 53P【後】130/70-13M/C 57P/IRC・GP-212
燃費:44.1km/L(WMTCモード値)
価格:451,000円(税込・記事作成時点)
その他:ETC2.0車載器
日常的に自動車専用道路を走れる環境で、お財布にやさしいという前提で、他の人と違うバイクが欲しい人には最適だろう。
動画ver
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